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京大、水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功

水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功ー汚れを寄せ付けない素材として応用に期待ー



 中西和樹 理学研究科准教授、金森主祥 同助教、早瀬元 博士後期課程学生の研究グループは、撥水性表面をもつ柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」の細孔表面に撥油性の分子を結合させて表面エネルギーを低下させることにより「超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも接触角が150度以上)マシュマロゲル」の開発に成功しました。

 本研究成果は、独化学誌「アンゲヴァンテ・へミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)」オンライン版(2013年9月5日)に掲載されました。


<概要>
 撥水・撥油性表面は防汚などの応用面から注目されている性質ですが、そのような表面の作製は容易でなく、表面微細加工技術などを駆使したさまざまな方法が考案されてきました。本研究グループは今年1月に撥水性表面をもつ柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」を発表しました。この物質は内部に多数の細孔を有する「多孔性物質」であり、水を非常によく撥く「超撥水性」(水滴の接触角が150度以上)をもつ一方で油にはよく馴染むため、スポンジを絞るように水から油を迅速に分離回収することが可能です。このマシュマロゲルの細孔表面に撥油性の分子を結合させて表面エネルギーを低下させると、水だけでなく油までもよく撥く多孔性物質を得ることができると考え、研究を行いました。超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも接触角が150度以上)をもつ塊状柔軟多孔体はこれまでに作製例がありません。しかも、複雑・高価な器具が必要でなく、高校の化学実験室でも再現できるような簡易な手法で作製できるため、広い分野での応用が期待されます。


<背景>
 撥水性表面はセルフクリーニング効果(自浄効果)をもつメンテナンスフリーの窓ガラスや外壁など、防汚の観点から実用化がなされています。しかし煙や排気ガスなど油状の汚染物質に対する効果は低く、防汚特性の改善が求められています。その解決策の一つが撥水・撥油性表面の利用ですが、撥水性表面に比べてその作製は難しいとされています。事実、超撥水性は蓮の葉や昆虫の眼など身の回りにも多く見かけることができる性質ですが、超撥水・超撥油性をもつ乾燥表面は自然界に存在しません。超撥水・超撥油性を実現するためには、(1)表面に微細凹凸構造を形成し、(2)表面をフッ化アルキル鎖などで覆う必要があります。撥水性に比べて必要な条件が多く、超撥水・超撥油性表面の報告例は多くありません。また、超撥水・超撥油性表面の報告例のほとんどが薄膜コーティングに関する技術であり、摩耗・剥離などにより特性を失うことが問題となっていました。


<研究手法・成果>

 ※添付の関連資料を参照


<波及効果>
 超撥水・撥油性表面をもつ塊状材料の作製例はこれまでにありませんでした。簡易な合成法によって作製できる超撥水・超撥油性マシュマロゲルは、今後の超撥水・超撥油性材料研究に大きな影響を与える可能性があります。マシュマロゲルの柔らかさや材料の「厚み」を利用した、これまでに考えられてこなかった応用も期待できます。

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