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富士通研究所など、LTEホームフェムト基地局が自立的に電波干渉を低減する技術を開発

LTEホームフェムト基地局が自立的に電波干渉を低減する技術を開発
電波干渉を自動的に解消し、通信速度を約2倍に向上することが可能に


 株式会社富士通研究所(注1)およびFujitsu Laboratories of America,Inc.(注2)は、屋内無線通信を大容量、高品質化するLTEフェムト基地局において、フェムト基地局が周辺環境を検知して電波干渉を自動的に低減する技術を開発しました。

 従来、フェムト基地局同士が近接する場合や、携帯電話基地局(以下、マクロ基地局)が近接する場合などでは、電波干渉の影響により通信性能が劣化する問題がありました。今回、フェムト基地局が自立的に周辺の環境を検知して送信タイミング、送信電力、送信周波数帯域を調整することで電波干渉を自動的に低減する技術を開発しました。これにより、電波干渉が大きい場合に、従来に比べて通信速度を約2倍に向上できることをシミュレーションにより確認しました。

 本技術により、自宅で無線による高画質の動画再生や、オンラインゲームなどのアプリケーションのスムーズな動作が可能になります。


 本技術の詳細は、9月8日(日曜日)からロンドンで開催される国際学会PIMRC2013(24th Annual IEEE International Symposium on Personal,Indoor and Mobile Radio Communications)にて発表します。


<開発の背景>
 フェムト基地局は、従来のマクロ基地局と同等の最大通信速度を実現できる小型の携帯電話基地局です。フェムト基地局を屋内に設置することで、端末は屋外のマクロ基地局と通信を行う必要がなくなり、通信品質が向上するほか、少人数で無線帯域を占有できるため、通信速度の飛躍的な向上(10倍以上)が期待できます。このため、携帯電話の電波が届かないエリアに設置する不感地対策に加えて、通信混雑時のトラフィック急増対策としても期待されています。富士通からもフェムト基地局の「BroadOne LTE フェムトセル」(注3)がすでに製品化されています(図1)。

 ※図1は添付の関連資料を参照


<課題>
 従来、マクロ基地局は綿密なセル設計に従い、マクロ基地局間での電波干渉が生じないように設置位置などが決められてきました。しかし、フェムト基地局は綿密なセル設計を行わずに利用者宅内に設置でき、数が多いことから電波干渉を低減するのは困難でした。そのため、フェムト基地局同士が近接する場合や、マクロ基地局が近接する場合などでは、電波干渉の影響により通信性能が劣化するという問題がありました。干渉には、具体的には以下の3つのパターンが考えられます。

 1.フェムト基地局に接続された端末(フェムト端末)と近隣宅のフェムト基地局間での干渉
  近隣宅のフェムト基地局の電波の影響により、屋内のフェムト端末の通信速度が低下。

 2.フェムト端末と近傍のマクロ基地局間での干渉
  マクロ基地局からの電波の影響により、屋内のフェムト端末の通信速度が低下。

 3.マクロ基地局に接続した端末(マクロ端末)と近傍のフェムト基地局間での干渉
  マクロ基地局から遠い位置で接続されているマクロ端末が、端末近傍のフェムト基地局からの電波の影響により通信速度が低下。

 ※図2は添付の関連資料を参照


<開発した技術>
 今回、フェムト基地局が自立的に周辺の環境を検知して送信タイミング、送信電力、送信周波数帯域を調整することで各種の電波干渉を自動的に低減する技術を開発しました。具体的には、以下の手順で干渉を制御します。

 1.周辺環境の測定
  フェムト基地局が、周辺のマクロ基地局の情報、マクロ基地局に接続されたマクロ端末の情報、隣接するフェムト基地局の情報、自基地局に接続された端末の情報を取得します。

 2.タイミング制御
  マクロ基地局の情報に基づいて、マクロ基地局の信号の送信タイミングに合わせて、フェムト基地局の信号の送信タイミングを設定します。これにより、データチャネルの割当てに用いられる制御チャネルとデータ通信に用いられるデータチャネルを分離し、制御チャネルの干渉を抑制します。

 3.送信電力制御
  自基地局に接続された端末情報に基づいて、通信品質が悪い場合は、制御チャネルの送信電力を大きくすることで制御チャネルの品質を確保します。これにより端末の安定的な接続を実現します。

 4.送信帯域制御
  隣接するフェムト基地局の情報や、近隣のマクロ基地局に接続されたマクロ端末の情報を基に、各基地局間の干渉を避けるために、データチャネルの送信帯域を分割します。これによりデータチャネルの品質が向上し、通信速度を向上することができます。

 上記の動作を一定間隔で繰り返します。

 ※図3は添付の関連資料を参照


 シミュレーションで効果を検証した結果、電波干渉が大きい場合に通信速度が従来に比べ約2倍に向上することを確認しました。また、大きな干渉により従来通信が不可能であったマクロ端末の通信が可能になることを確認しました。


<効果>
 本技術により、詳細な位置決定やパラメーター調整を行わずにフェムト基地局を設置しても、周辺の屋外ユーザーに悪影響を与えることなく、大幅な通信速度の向上が得られます。よって、自宅で無線による高画質の動画再生や、オンラインゲームなどのアプリケーションのスムーズな動作が可能になります。


<今後>
 2013年度の実用化を目指して、開発した干渉制御技術の機能や性能の検証を進めます。


<商標について>
 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上


【注釈】
 注1 株式会社富士通研究所:代表取締役社長 富田達夫、本社 神奈川県川崎市。
 注2 Fujitsu Laboratories of America,Inc.:President & CEO 木村康則、米国Sunnyvale,CA。
 注3 「BroadOne LTE フェムトセル」:屋内ワイヤレス通信を快適にする「BroadOne LTE フェムトセル」を販売開始(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/01/6-1.html)(2012年1月6日富士通プレスリリース)

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