2013/11/27 Category : 未選択 ヤクルト、母親の腸管内のビフィズス菌が新生児に受け継がれることを証明 母親の腸管内のビフィズス菌が新生児に受け継がれることを証明~欧州における試験から得られた新たな知見~ 株式会社ヤクルト本社(社長 根岸 孝成)は、ヤクルト本社ヨーロッパ研究所(所長 澤田 治司、所在地:ベルギー王国 ゲント市)での研究成果として、出産前の母親の腸管内に常在するビフィズス菌が新生児の腸管に受け継がれることを明らかにしました。本研究結果は、米国で出版されているオンライン版の学術誌「PLOS ONE」(プロスワン)に11月14日に公開されました。 なお、本内容は、ヤクルト本社、ヤクルト本社ヨーロッパ研究所、ニュートリシア・リサーチ・ユトレヒト・オランダで実施した共同研究の成果です。1.背景 ヒトの腸内には1,000種を超える、総数約100兆個もの細菌が棲みついて、複雑な腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成しています。これらの腸内細菌は消化管上皮細胞を介してヒトの健康や感染防御に大きな影響を与えると考えられています。胎児は母親の子宮内では無菌状態ですが、出産時において産道に定着している細菌との接触あるいは近親者・医療従事者・環境を介して細菌と接触する機会に巡り合い、新生児の腸内細菌叢が形成されていきます。ビフィズス菌は、新生児の腸管内では、出生後の早い段階で最も多くを占める細菌として知られており、免疫が発達していない新生児の感染防御や乳幼児期の粘膜免疫系の発達において、重要な役割を果たすことが報告されています。しかし、新生児に定着しているビフィズス菌の由来については明らかにされていませんでした。 当社、当社ヨーロッパ研究所およびニュートリシア・リサーチ・ユトレヒト・オランダでは、これまでに、健康な妊婦を対象に、出産前の妊婦および出生後の新生児の便からビフィズス菌を経時的に単離し、8組の自然分娩母子のうち6組において、母親と同一菌株のビフィズス菌(Bifidobacterium longum subsp.longum)が新生児から検出されることを確認しています(米国細菌学会誌「Applied and Environmental Microbiology」誌〔77(9),6788-6793,2011、http://aem.asm.org/content/77/19/6788.long〕に掲載されています:参考図)。 本研究では、先の研究成果を踏まえ、複数種類のビフィズス菌株に関して、腸管内に常在しているビフィズス菌をそれぞれ単離して、それらが同一の菌株であることを実証することに加え、分娩様式の異なる母子を対象に、分娩様式による差異についても解析を行いました。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword