M2Mを活用した機器ライフサイクル管理を実現するクラウドサービス
「Global e-Service on TWX-21/M2Mサービス」を開発
株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、機器の製造・販売を、グローバル市場で展開する国内企業に向けて、SaaS(*1)型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」に、M2M(*2)を活用した機器のライフサイクル管理を実現する機能を拡充した「Global e-Service on TWX-21/M2Mサービス」(以下、M2Mサービス)を開発し、12月1日から申し込み受付を開始します。
「Global e-Service on TWX-21」は、機器の製造・販売、稼働や保守などの情報を収集・蓄積し、その情報を共有・利活用することで、機器のライフサイクル管理を実現するクラウドサービスです。今回、情報収集した稼働情報を閲覧する機能や異常な状況を知らせるアラーム機能、そして遠隔停止を実現するといった機能を拡充したほか、管理したい機器から情報を収集するために必要な通信事業者が提供するデータ通信サービスも含めて提供します。M2Mサービスを活用することで、自社での新たなアプリケーションの開発の必要がなく、迅速かつ低コストで、M2Mを活用した機器のライフサイクル管理のシステムを構築できます。これにより、稼働状況や位置などの情報と「Global e-Service on TWX-21」に蓄積した保守情報などの機器ライフサイクル情報を組み合わせて分析した結果を活用し、顧客ニーズを反映した新製品の開発や保守作業の効率化、在庫の最適化など、アフターサービスの高度化を実現するといった新たな価値を創出できます。
*1 SaaS(Software as a Service):必要な機能を必要な分だけサービスとして利用可能にしたソフトウェアもしくは提供形態のこと
*2 M2M(Machine-to-Machine):機械同士が、人間を介さず、ネットワークを通じて直接情報を交換するシステム
近年、機器を製造・販売する国内企業は、機器単体の性能、高機能化を追求する従来のビジネスモデルより、さらなる高収益が期待できるメンテナンス、機器保守や部品販売などのアフターサービス事業への関心が高まっています。また、製造業のグローバル展開に伴い、自社でITインフラを所有することによる維持・運用コストや人的リソースを抱えることが経営上の負担となっていることから、低コストで効率的な機器のライフサイクル管理を行うことが求められています。さらに、製品に不具合が発生した際、その原因の切り分けや具体的な対策立案に時間がかかってしまう、部品の需要が分からず、部品の過剰在庫や欠品が発生しやすいといった課題を抱えており、世界中で稼働している機器からの情報を適切なタイミングで把握したいという需要が増えています。
日立は、日立建機株式会社(執行役社長:辻本 雄一/以下、日立建機)が世界100以上の国・地域で運用・蓄積してきた業務ノウハウを生かし、クラウドサービスで提供するSaaS型機器ライフサイクルサービス「Global e-Service on TWX-21」を開発し、2012年9月から提供しています。
今回のM2Mサービスは、「Global e-Service on TWX-21」に、M2Mのシステムに必要な機能を拡充したほか、通信事業者のデータ通信サービスを加えて提供するものです。
M2Mサービスを活用することで、例えば、自動収集した稼働情報をタイムリーに活用し、最適な保守計画の立案や的確な保守部品の携行による業務効率化を実現するほか、アラーム情報を活用し、故障対応の時間短縮による、アフターサービスの顧客満足度向上などにつなげることができます。また、遠隔での機器への命令・制御を実現する機能により、盗難時に機器の遠隔停止やロックといった盗難の防止が可能となります。さらに、M2Mサービスで新たに取得可能となる稼働情報や位置情報に加え、既に「Global e-Service on TWX-21」上で蓄積されている機器のライフサイクルに関わるさまざまな情報を組み合わせることで、例えば、現場や地域特有の顧客ニーズを反映した新サービス・製品の開発や正確な部品需要予測に基づく生産計画の策定、コストの最適化など、全社視点での売上拡大・経営効率化をサポートします。