2013/09/24 Category : 未選択 東レ、ポリマー有機薄膜太陽電池で10%超の変換効率を達成 ポリマー有機薄膜太陽電池で世界最高レベルの変換効率を達成 ―高配向性ポリマーの開発により極限の外部量子効率を実現― 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長日覺昭廣(*):、以下「東レ」)はこのたび、有機薄膜太陽電池(1)において、単層素子(2)としては世界最高レベルとなる10%超の変換効率(太陽光を電気に変えるエネルギー変換効率)を達成しました。当社が新たに開発した高配向性の芳香族ポリマー(3)をドナー材料に、フラーレン化合物(4)をアクセプター材料に用いることで、発電層を高度に配向制御すると共に、厚膜化(従来比約3倍)に成功したものです。今回開発した有機薄膜太陽電池は、外部量子効率(照射した光子が電子に変換された割合)が光吸収波長領域の全域に渡って9割を超え、短絡電流(5)が無機太陽電池に匹敵する値に達するなど、極限に近い高効率化を実現しています。 今回の成果は、太陽電池素子の発電性能とドナー材料の配向特性との関係を明らかにし、有機薄膜太陽電池の実用化に向けたさらなる高効率化のための指針を提供するものです。 今後、2015年近傍の実用化を目指し、一層の材料・素子性能向上を図って参ります。 *社長名の正式表記は、添付の関連資料を参照 有機薄膜太陽電池は、様々な種類の太陽電池がある中で、最も薄く、最も簡便に作製することができ、抜本的な低コスト化が実現可能な次世代の太陽電池として開発が進められています。また、軽量で柔軟性に富むといった特長を生かし、建造物の壁面利用や車載用など、新用途への展開が期待されています。しかしながら、従来の発電材料では変換効率が低いことが、有機薄膜太陽電池の実用化に向けて大きな課題となっています。 有機薄膜太陽電池の構造は、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる透明陽極、発電層、そして銀、アルミ等からなる陰極に分けられます。有機薄膜太陽電池の心臓部に当たる発電層は、光が当たると電子を放出するドナー材料と、放出された電子を受け取って電極まで運ぶアクセプター材料の2種類の発電材料で構成されます。 東レは今回、独自のポリマー設計技術と有機合成技術を駆使し、変換効率向上の鍵となる芳香族ポリマー系ドナー材料を新たに開発しました。本ドナー材料は、発電メカニズムを詳細に解析しながら開発を進め、化学構造(ポリマー中の原子のつながり)を最適化して配向性を高度に制御することにより、光吸収特性と導電性を高い次元で両立しました。これにより、最も低コスト製造が可能とされる非加熱塗布法(6)による単層素子において、10%を超える変換効率を得ることに成功しています。 東レは今後、材料技術を早期に確立し、有機薄膜太陽電池の実用化に向けて検討を進め、コーポレートスローガンである“Innovation by Chemistry”を具現化する先端材料の開発を推進していく所存です。 今回開発に成功した高効率有機薄膜太陽電池の詳細は下記の通りです。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword