国内ハードコピー/プリント産業は、出力機器の出荷台数がここ数年大きく増減することが無いことから、短期/中期的な視点では非常に安定している市場とみることができます。しかしながら、長期的にはモバイル機器の普及や、ユーザー企業のコストダウン圧力の影響から、事業構造の大きな変革が必要となってきているといわれています。このような中で、MPSに注力することによって、多くのベンダーがビジネス拡大を図っています。MPSは、企業のオフィス出力環境の現状を分析した上で、最適な出力環境を構築、その環境を継続的に維持/運用していくアウトソーシングサービスです。MPS導入によって、出力環境に関するTCO(Total Cost of Ownership)の把握/削減、出力管理業務プロセスの効率化、環境負荷軽減といった効果を期待することができます。IDCでは、国内MPS市場は順調に成長しており、2013年は前年比15.4%増の400億2,900万円となると予測しています。
IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田 英次は、「MPSの認知はまだ低いものの、導入済企業のMPSへの満足度は高い。再契約を希望する率も高く、MPSがユーザー企業の高いベンダーロイヤリティを維持するために有効であることがわかる。一方、アセスメントや定期レポートといったMPSの主要提供価値への満足度が相対的に低いことは懸念材料であり、ベンダーには継続的な価値訴求が求められる」と述べています。
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