高齢者がより長く、自立した生活を送るためには運動器系の機能を維持する必要があり、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では65歳以上の身体活動の基準を策定しています。またWHO(World Health Organization/世界保健機構)は死亡に対する危険因子として、高血圧、喫煙、高血糖に次いで身体活動量の不足を第4位に位置付けるなど、健康寿命の延伸に対する「身体活動(生活活動+運動)」全体の位置付けが高まっています。
高齢者の生活では、速歩やジョギングと言った中強度の身体活動だけでなく、家事活動、移動のような低強度の日常生活活動が健康維持に重要とされます。今回の調査結果では、部屋間の温度差の少ないグループで低強度の日常生活活動が多いことが確認されました。部屋間の温度差を少なくすることは、特別な運動をせずに日常生活を継続できることにつながり、健康維持の観点からも有効であることが考えられます。