2013/10/04 Category : 未選択 浜松ホトニクス、高解像度を実現した「300kV開放型マイクロフォーカスX線源」を開発 線非破壊検査用途の高圧電源一体式で微小焦点 「300kV開放型マイクロフォーカスX線源」を新開発 当社は、開放型X線源として、管電圧300kVで分解能4μmの高解像度を実現したX線非破壊検査用途における微小焦点X線源「300kVマイクロフォーカスX線源」を開発しました。各種部品の欠陥検査などの用途に向けて、国内外のX線検査装置メーカーや部品メーカーなどに来年夏頃の発売を予定しています。 なお、本開発品は、11月7日(木)から3日間、アクトシティ浜松(浜松市中区)で5年ぶりに開催される、浜松ホトニクス総合展示会「フォトンフェア2013」に出展します。 <開発品の概要> 開放型X線源は、真空ポンプでX線管球を真空に維持する方式で、電子源のフィラメントから発生した熱電子を電磁コイルで収束し、金属ターゲットに衝突させてX線を発生させるものです。主に工業用X線CTシステムのX線源として用いられ、透視やCT撮影によって、電子基板や部品、機械、鋳物部品などの内部構造、欠陥などを検出します。 本開発品は、高出力開放型X線源で困難とされていた高圧電源一体型で管電圧300kVを実現したことで、高圧ケーブルのメンテナンスが不要となります。さらに、高電圧でも高出力安定化動作を実現し、検査スピードの高速化や大型部品の微小欠陥の検出にも有用です。特に、分解能4μmの高解像度、安定したX線量、焦点移動が少ないことが必要条件とされるCT撮影で鮮明な拡大画像を可能にします。 また、開放型X線源に必要な消耗品の交換が容易で、電子ビームを所望の位置に移動する電子ビームアライメント機能、慣らし運転のためのウォーミングアップ機能が自動化され操作性に優れています。さらに外部制御機能としてRS-232Cインターフェースを標準装備しています。 本開発品により、従来から管電圧が低いX線源が用いられているスマートフォン、タブレット端末などの小型電子部品の検査に加え、自動車用のアルミ鋳物や鉄部品、航空機関連の大型機械部品ほか、大型電子部品などの内部構造や巣、クラックの非破壊検査精度が向上します。 <主な特長> 1、高出力開放型X線源で困難とされた高圧電源一体型を実現 本開発品は、設計を最適化することで、高エネルギーによる回路や基板、部品の損傷を抑え、特殊な絶縁構造体により30cm角に収めた小型高圧電源を開発し、300kVでは困難とされていた高圧電源部とX線管球部を一体化し、高圧ケーブルが不要となりました。その結果、ケーブルコネクタ部の放電による損傷が発生しないため、接続部の修理やグリースアップ作業がなくなりました。 2、300kV開放型X線源で4μmと高解像度を実現 既存の海外製300kVクラスの開放管は、10μm以上の分解能なため、対象物の欠陥等の撮影で十分な画質を得られませんでした。本開発品は、小型安定化高圧電源と最適な電子軌道設計により、電子ビームをより絞り込むことで、分解能4μmのシャープな拡大画像を得ることができます。 また、焦点の位置から試料までの距離を示すFODは5mm以下と短く、高拡大率画像が得られ微小な欠陥を見つけることが可能になります。 3、高電圧でも高出力安定化動作を実現 本開発品は、冷却技術により高出力動作でもX線量変動が1%以下の安定したX線量が得られます。また、焦点移動が抑えられ、長時間のCT画像撮影でもボケのない画像が取得できます。 <開発の背景> 一般的なX線検査装置では、撮影対象物が厚く、重くなるほど、より高電圧で高出力のX線源が必要になります。X線管部が駆動用高圧電源と高圧ケーブルで接続された装置は、高出力にすると電子源周りが不安定になり、コネクタ部で放電が発生するため、高圧電源部や高圧ケーブルの損傷が頻繁に起こるようになります。管電圧が200kV以上になると、高圧ケーブルのコネクタ部にグリースを塗布するメンテナンス作業が月2回程度必要になる場合があります。高圧ケーブルの損傷の修理対応や取り扱い、メンテナンスには専門技術者が必要で、非常に多額のメンテナンス費用が発生していました。 また、高圧ケーブルで接続した装置は、高出力になると大型の高圧電源ユニットが必要となり、X線管部との一体化が困難でした。さらに、同タイプの従来品は、海外製のX線源しかなく、メンテナンスやトラブルが発生した際の対応時間が非常に掛るという問題がありました。 当社の開放型X線源は、2000年に高圧電源とX線管球を一体型化した160kVタイプを市場投入してから、2010年の230kVと高出力化を進めてきました。当社は、高圧ケーブルのトラブルを解決したいとの市場からの要請を受けて、これまで蓄積してきたノウハウをもとに、X線源の開発に取り組みました。 ※主な予定仕様・参考画像は、添付の関連資料を参照 <この件に関するお問い合わせ先> ■一般の方 浜松ホトニクス株式会社 電子管営業推進部 第2G 〒438-0193 静岡県磐田市下神増314-5 TEL0539-62-5245 FAX0539-62-2205 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword