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サントリーHD、農研機構などと共同でカーネーションの全ゲノムの解読に成功

花きで世界初
カーネーションの全ゲノム解読に成功
―カーネーションの新品種開発の加速に期待―


 サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社は、農研機構(※1)、公益財団法人かずさDNA研究所、東京農工大学と共同で、カーネーションの全ゲノムの解読に成功しました。
 本研究の結果は、2013年12月18日にDNAリサーチ誌電子版に掲載されました。

 ※1:独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)。

【研究の背景】
  カーネーションは地中海沿岸原産のナデシコ科ナデシコ属の植物で、キク、バラと並んで世界の三大花きに数えられます。日本においても第2位の出荷本数 (3.1億本、2012年)を誇る代表的な花きとして親しまれています。今回、新たな品種の育成とその育種の効率化を図るため、カーネーション研究で成果 を上げてきた産学官の4機関が共同してカーネーションの全ゲノム解読に取り組みました。

【研究の内容】

1)日本で生産量の多い赤色品種「フランセスコ」のゲノム解読を行った結果、推定されるカーネーションのゲノム全体6億2千2百万塩基対の91%の解読に成功しました。

2)カーネーションは約4万3千個の遺伝子をもっていることが明らかになり、その遺伝子の完全または部分構造が解明されました。この結果、カーネーションの特性に関わる遺伝子配列がほとんど解読できたことになります。

3) アントシアニン(※2)などの花色に関わる色素の合成遺伝子、花持ちに関わるエチレン(※3)合成遺伝子、病害抵抗性に関わる遺伝子、花弁の展開に関わる 遺伝子、花の香りに関わる遺伝子について、これまでカーネーション中には存在が知られていなかった種類のものが多数、新たに発見されました。また、それら 遺伝子の働きを制御する転写因子(※4)や、カーネーションの模様の形成に関与するトランスポゾン(※5)と呼ばれる遺伝子についても、新たな種類が多数 見つかりました。

 ※2:赤~紫~青色を示す色素で、糖(グルコース、ガラクトース)と結びついた形で液胞に含まれている。

 ※3:植物ホルモンの一種であり、花の老化促進、花茎の伸長抑制などの作用がある。カーネーションはエチレンに対する感受性が非常に高く、エチレンの影響で花持ちが短くなる。

 ※4:他の遺伝子の働きをコントロールする管理者的なタンパク質。標的となる遺伝子の転写(DNA情報をRNAに写し取る反応)を直接制御し、通常は一つの転写因子が複数の遺伝子の働きの調節に関わる。

 ※5:通常の遺伝子とは異なり、ゲノム上の様々なところに動くことができる遺伝子。その性質から「動く遺伝子」とも呼ばれる。トランスポゾンが移動することで近傍の遺伝子の発現を抑制や失活させる現象が知られている。


【今後の期待】

1)多数の遺伝子の機能解明が大きく進むため、今後の新しい品種開発のスピードが飛躍的に向上することが期待されます。また、新しい花色を持つ品種、病虫害に強い品種、香りの良い品種など、新たな価値をもったカーネーション品種の開発に大きく貢献することが期待されます。

2)遺伝子の機能解析を進めることで、カーネーションの花色や模様の形成機構が明らかになり、その成果がその他の花きにも活用できることが期待されます。

3)ナデシコからカーネーションがどのように育種されてきたのか、ナデシコの進化の歴史など、基礎植物科学への貢献が期待されます。

4)カーネーションのゲノム情報を花きの中で初めて解読できたことにより、今後の花きのゲノム研究が大きく前進することが期待されます。


以上
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