2013/12/27 Category : 未選択 帝国データバンク、国内主要112行の貸出金・不良債権実態調査結果を発表 特別企画:国内主要112行の貸出金・不良債権実態調査国内主要銀行の融資残高、半年間で6兆2243億円増加不良債権は8659億円減少するも、大手銀行の引当率の上昇が顕著<はじめに> 昨年12月26日に誕生した第二次安倍内閣は、「三本の矢」のひとつとして、金融緩和政策を打ち出し、為替の変動、株価上昇などアベノミクスと呼ばれる経済効果をもたらした。こうしたなか、今年3月までに中小企業金融円滑化法は終了しているが、企業の資金調達窓口となる銀行の数値はどのような変化を見せているのだろうか。帝国データバンクは、国内主要112行(大手銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行41行)の2013年9月末(第2四半期決算)および2013年3月末(通期決算)、2012年9月末(第2四半期決算)時点の貸出金残高、リスク管理債権(不良債権)、貸倒引当金の推移などについて調査・分析した。 ※大手7行の内訳は、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行(前回調査対象となっていた「みずほコーポレート銀行」は、2013年7月1日付でみずほ銀行と合併)<調査結果> (1)国内主要112行の2013年9月末時点の貸出金残高合計額は、447兆1675億2400万円となり、2013年3月末比で6兆2243億3500万円増加(1.41%増)となった (2)不良債権とされるリスク管理債権の合計額は、10兆3972億4300万円で、2013年3月末比で8659億4700万円減少(7.69%減)。リスク管理債権が貸出金残高に占める割合は2.33%となり、2013年3月末比で0.22ポイント低下した (3)「大手銀行」「地方銀行」「第二地方銀行」それぞれの各項目を見ると、貸出金残高は2013年3月末比で3業態すべてで増加、リスク管理債権比率は3業態すべてで低下したが、貸倒引当金比率は大手銀行で上昇した一方、地方銀行、第二地方銀行で低下した *参考資料は添付の関連資料「参考資料」を参照1.主要112行の貸出金残高は半年間で6兆2243億円増加 国内主要112行の2013年9月末時点の「貸出金残高」は、447兆1675億2400万円となり、2013年3月末比で6兆2243億3500万円増加(1.41%増)、2012年9月末比で23兆1043億3900万円増加(5.45%増)した。そのうち、不良債権とされる「リスク管理債権」(破綻債権、延滞債権、3ヵ月以上延滞債権、貸出条件緩和債権の合計)は、10兆3972億4300万円となり、2013年3月末比で8659億4700万円減少(7.69%減)、2012年9月末比で8102億6700万円減少(7.23%減)。リスク管理債権が貸出金残高に占める割合(リスク管理債権比率=低いほど健全)は2.33%で、2013年3月末(2.55%)比で0.22ポイント低下、2012年9月末(2.64%)比で0.31ポイント低下した。また、「貸倒引当金」は4兆3234億1700万円となり、2013年3月末比で3448億5000万円減少(7.39%減)。貸倒引当金がリスク管理債権に占める割合(貸倒引当金比率=高いほど健全)は41.58%となり、2013年3月末(41.45%)比で0.13ポイント上昇、2012年9月末(41.49%)比で0.09ポイント上昇した。 貸出金残高が増加する一方、不良債権は減少、引当率は上昇し、“銀行の経営健全化”の傾向が顕著となる結果となった。2.大手銀行の貸出金残高増と貸倒引当金比率上昇が目立つ 「大手銀行」「地方銀行」「第二地方銀行」の内訳は下表と次頁のとおり。 業態別で比較すると、2013年9月末時点の「貸出金残高」は、2013年3月末比で大手銀行が4兆4308億4400万円増加(1.94%増)、地方銀行が1兆6711億700万円増加(1.00%増)、第二地方銀行が1223億8400万円増加(0.27%増)とすべてで増加し、特に大手銀行の増加率が目立った。また、「大手銀行」と「地方銀行+第二地方銀行」の貸出金残高を比較すると、2012年9月末で大手銀行が6兆7384億2900万円上回っていた差額は、2013年3月末で15兆9134億100万円、2013年9月末で18兆5507億5400万円となり、大手銀行の融資展開が地方銀行、第二地方銀行よりも活発化していることが分かる。 リスク管理債権比率は、2013年3月末比で3業態すべてにおいて低下したが、貸倒引当金比率は、大手銀行が2.71ポイント上昇した一方、地方銀行は1.20ポイント低下、第二地方銀行は0.40ポイント低下しており、中小企業金融円滑化法終了後、大手銀行と地方銀行・第二地方銀行の間に差が出ていることが分かる。 *参考資料は添付の関連資料「参考資料」を参照3.まとめ 今回の調査では、大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の3業態すべてで貸出金残高が増加する一方、リスク管理債権が減少する経営健全化の傾向が見られたが、貸出金残高増加率は、大手銀行が1.94%、地方銀行が1.00%、第二地方銀行が0.27%、リスク管理債権減少率は、大手銀行が12.19%、地方銀行が4.19%、第二地方銀行が5.47%と大手銀行と地方銀行・第二地方銀行との開きは大きい。 また、2013年3月末以降の貸倒引当金比率の推移は、大手銀行が2.71ポイント上昇した一方、地方銀行は1.20ポイント低下、第二地方銀行も0.40ポイント低下し、差も出はじめている。 2013年4月以降の6ヵ月間で、主要112行の貸出金残高は6兆2243億3500万円増加したものの、事業者向け融資(業種別)の内訳をみると、「建設業」「卸売業・小売業」で減少する一方、「金融業・保険業」などで増加。また、中小企業金融円滑化法終了(2013年3月末)後も各金融機関は融資先に柔軟な支援継続を行っているほか、「中小企業再生支援協議会」に持ち込まれた案件の大半が“3年間の暫定リスケ”で対応されている現状などを踏まえると、本当の意味での不良債権処理は進んでおらず、アベノミクス効果が中小企業全体に行き渡っているとは言えない。 今後、業績が好転する企業が出はじめる一方で、各種政策で延命措置が取られていた中小零細企業の淘汰も相次ぎ、規模の小さい金融機関を中心に不良債権問題は徐々に大きな課題になっていく可能性が高い。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword