忍者ブログ

リリースコンテナ第3倉庫



Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > 未選択 > 花王、嗅覚受容体の活性化を抑制する物質を用いた選択的消臭技術の開発

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

花王、嗅覚受容体の活性化を抑制する物質を用いた選択的消臭技術の開発

嗅覚受容体の活性化を抑制する物質を用いた選択的消臭技術の開発
■約400種のヒト嗅覚受容体の中から、体臭の成分であるヘキサン酸に応答する5つを特定
■ヘキサン酸に応答する嗅覚受容体の活性化を抑制する香料成分を見出し、消臭効果を確認

  花王株式会社(社長・澤田道隆)感性科学研究所では、感性視点によるモノづくりのための基盤技術研究の一環として五感に関する技術構築をすすめており、そ の中で嗅覚受容体に着目したにおいの研究を行なっています。このたび、体臭の成分の一つであるヘキサン酸について、選択的消臭技術につながる知見を得るこ とができました。

1.約400種存在するヒトの嗅覚受容体の中から、ヘキサン酸に応答する嗅覚受容体を5つ特定することに成功しました。

2.約140種類の香料成分の中から、受容体の活性化を抑制する作用のある成分を見出し、これらの香料とヘキサン酸を同時に嗅ぐことで、ヘキサン酸特有の嫌なにおいが抑えられることを確認しました。

  今回の一連の研究で、特定のにおい物質に対する嗅覚受容体の活性化を特定の物質で抑制するメカニズムに基づく、新しい選択的な消臭技術の可能性が明らかに なってきました。特定のにおいを別のにおいで抑制する現象について科学的に解明した今回の成果を、快適な生活実現に貢献するモノづくりに応用していきま す。

研究結果ヘキサン酸に応答する、5つの嗅覚受容体を特定

 ヒトの嗅覚受容体を発現させた培養細胞の評価系を用いて、 400種のヒト受容体のうち、どの受容体がヘキサン酸によって応答するかを調べました。細胞に発現させた嗅覚受容体が活性化すると、細胞内の情報伝達物質 が増加します。この情報伝達物質の増加をにおい応答として測定した結果、5つの嗅覚受容体(2W1、10A6、51E1、51I2、51L1)がヘキサン 酸により活性化されることが明らかとなりました(図1)。つまり、人は、ヘキサン酸を5つの嗅覚受容体でとらえ、その刺激により、においを感じていると考 えられました。
 
*図1は添付の関連資料を参照

ヘキサン酸による受容体の活性化を抑制する香料成分の探索

  ヘキサン酸によって活性化される嗅覚受容体に対し、香料成分をヘキサン酸と同時に加えることで、受容体の活性化を抑制する作用(アンタゴニスト作用)を有 する香料成分の探索を行ないました。約140種類の香料成分の中から、フローラルの香りの、「フロルヒドラール」「ブルゲオナール」「イソシクロシトラー ル」をそれぞれ同時に加えると、ヘキサン酸によって活性化が認められた5つの嗅覚受容体のうち4つの受容体の活性化が50%以下に抑えられることがわかり ました(図2)。
 これは、香料成分がヘキサン酸の嗅覚受容体への結合を拮抗的に防いだことによるものと考えられました。
 
*図2は添付の関連資料を参照

ヘキサン酸臭を抑制する香料の効果を官能評価で確認

  ヘキサン酸による嗅覚受容体の活性化を抑制する香料成分、「フロルヒドラール」「ブルゲオナール」「イソシクロシトラール」を添加することで、ヘキサン酸 臭を実際に抑えられるかを官能評価で調べました。脱脂綿にヘキサン酸を染み込ませたものを入れたガラス瓶を一定時間放置し、その時のにおいの強さを0から 5の6段階評価で、「5」としました。「フロルヒドラール」などの3つの香料をそれぞれ染み込ませた脱脂綿を同時に加えたときのヘキサン酸臭を評価したと ころ、においの強さの減少が認められました(図3)。
 
*図3は添付の関連資料を参照

 なお、本研究成果は、日本味と匂学会第47回大会(宮城県仙台市 2013年9月5~7日)にて発表しています。

  研究背景自然界に存在する多くのにおい分子は嗅覚受容体によって認識されます。嗅覚受容体の数は動物種によって異なりますが、鋭い嗅覚をもつとされるマウ スで約1000種、ヒトでは約400種類の嗅覚受容体があることがわかっています。1つのにおい分子は2個以上の嗅覚受容体によって認識されることが多 く、ヒトや動物は活性化する嗅覚受容体の組み合わせによって、自然界に存在する数十万種類のにおい分子を嗅ぎ分けることができます。

 生 活環境のにおいには、花や果実などのかぐわしい香りもあれば、避けたくなるような、いわゆる悪臭もあります。感性科学研究所では、悪臭の認識に関わる受容 体の活性化を抑制するにおい分子を利用することで、悪臭の感じ方を変えることができるのではないかと考え、嗅覚受容体に着目したにおいの研究を行ないまし た。

 におい物質の認識に関わる嗅覚受容体の特定は、基礎科学の分野で進んでいますが、日用品の開発への応用研究については今回が初めてと考えられます。

PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword