2013/11/15 Category : 未選択 鹿島、シールドトンネル工事で発生する砒素汚染土壌の浄化技術を開発 シールドトンネル工事で発生する砒素汚染土壌の浄化技術を開発 砒素吸着性鉄粉と超伝導磁石を用いた磁気分離による砒素抽出技術 鹿島(社長:中村満義)は、自然由来の砒素含有地盤を、泥水式シールド工法で掘削する際に発生する、砒素汚染泥水を現場で浄化する技術を開発しました。鹿島では既に、超伝導磁石の磁気により、泥水中から鉄粉を高い回収率で分離する技術を実用化(※)していますが、この技術を活用し、砒素吸着性の高い鉄粉を用いた浄化技術を開発し、優れた効果を確認しました。 この浄化技術により、砒素汚染土壌の処分コストを大幅に削減できることから、今後の大規模・大深度シールドトンネル工事に積極的に提案していく方針です。 ※エンバイロジェット工法でゼロエミッション化に成功 http://www.kajima.co.jp/news/press/200909/16e1-j.htm (2009年9月16日プレスリリース) *参考画像は、添付の関連資料を参照 <開発の背景> 関東地方における有楽町層や上総層などに代表される、自然由来の砒素が比較的多く含まれる地盤では、砒素濃度が土壌溶出環境基準値を上回る場合が数多くあります。このような地盤を掘削するシールド工事では、基準値を上回る砒素に汚染された土壌(泥水シールドの排泥水から処理分級された、汚染残土や汚染汚泥)が大量に発生し、その処分にかかるコストが大きな課題となります。特に近年では道路や鉄道の地下化が進み、多くのシールド工事で発生する砒素汚染土壌を受け入れる、管理型処分場や浄化施設の需要も逼迫していることから、これを現場で浄化するニーズが特に高まっているといえます。 <本技術の特長> 鹿島は、超伝導磁石による磁気分離技術に早くから着目し、泥水中の鉄粉をほぼ100%回収できる技術を実用化しています。比表面積を増やすなど、砒素吸着性を高めた鉄粉にこの技術を応用することにより、泥水中の砒素を効率的に分離抽出します。 具体的には、砒素に汚染された排泥水に砒素吸着性鉄粉を撹拌混合し、鉄粉に砒素を充分に吸着させた上で、磁気分離装置で鉄粉を除去します。砒素汚染土壌を無処理で搬出する際の非常に高い処分費用に比べて、最大7割程度のコスト削減につながります。また、鉄粉は吸着効果が低下するまで再利用することが出来ます。 このたび、環境基準値の10倍程度の砒素に汚染された泥水を、この磁気分離装置で約150m3処理する試験を行い、20m3おきに泥水を分析した結果、全て環境基準値(0.01mg/l)以下に浄化されるという高い効果と同時に、磁気分離装置1台の処理能力も1時間あたり60m3以上と確認されました。 *イメージ画像などは、添付の関連資料を参照 <今後の展開> 今後もさまざまな試験にて実績と知見を積み重ね、都心部の各種大規模トンネル工事等を見据えながら、積極的な提案を行っていきます。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword