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東北大と東北特殊鋼、燃料電池用の快削高耐食性電磁ステンレス鋼を共同開発

燃料電池用快削電磁ステンレス鋼を共同開発
東北大学と東北特殊鋼


◆要旨
 東北大学の原信義教授、(※1)(大学院工学研究科)と東北特殊鋼株式会社(本社:宮城県柴田郡村田町、社長:山口桂一郎、(※2))は、固体高分子形燃料電池(PEFC、(※3))を健全に作動させるために重要な、純水の流れを制御する電磁弁鉄心用の、快削高耐食性電磁ステンレス鋼を共同開発しました。
 これにより、従来快削材料がなかった高耐食性電磁ステンレス鋼製の、水用電磁弁部品の加工コストが低減され、燃料電池の普及促進に貢献するものと期待されます。
 開発成果の詳細は、9月24日福島市の‘コラッセふくしま’で開催される公益社団法人腐食防食学会主催の第60回材料と環境討論会で発表します。

 ※1.マテリアル・開発系 知能デバイス材料学専攻 材料電子化学講座
 ※2.事業概要:特殊鋼鋼材の製造、加工、販売、及び熱処理、表面処理の受託など
         自動車エンジンバルブ用耐熱鋼と電磁ステンレス鋼で大きな国内シェア
     資本金:8億2,750万円
     売上高:(単独)145億円(平成25年3月期)
     従業員:(単独)354名(同上)
     ホームページ:http://www.tohokusteel.com
 ※3.Polymer Electrolyte Fuel Cell


◆開発の背景
 固体高分子形燃料電池では、電解質膜の加湿、水素を発生させるための都市ガスの水蒸気改質、電極の冷却などのために純水が使われます。この純水の流れを制御する電磁弁の部品の腐食や材料成分の溶け出しなどによって水質が劣化すると、発電性能の低下を速めることから、これらの部品には水環境で高い耐食性をもつ材料が使われています。
 そのような高耐食性と優れた磁気特性(電磁弁を動かす電磁石の鉄心としての性能)をもつ材料として、東北特殊鋼の電磁ステンレス鋼(製品鋼種名:K-M38)が広く使われていますが、高い耐食性をもたせるために、主要組成(18Cr など)以外には、マンガン硫化物(MnS)等の切削性を良くする成分を殆ど添加していないことから、電磁弁メーカーなどから切削性の改善を要望されております。


◆開発の要点
 東北特殊鋼は2001年に、東北大学(※4)、産業技術総合研究所東北センター(※5)、及び大同特殊鋼株式会社(※6)と共同のNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)補助事業で、鉛フリー快削鋼の開発を目的として、チタン炭硫化物(TiCS)分散型快削鋼を開発しています。その際、元々鉛含有鋼ではないK-M38についてもTiCS分散型のK-M38CSを試作しましたが、同鋼種の快削化ニーズがまだ顕著ではなく、実用化開発には進みませんでした。
 その後の約10年間にK-M38の固体高分子形燃料電池部品用材料としての普及が進み、切削コストを下げたいとのメーカーの要望が強くなってきたことから、金属材料中の硫化物の電気化学的性質に詳しい東北大学の原信義教授が東北特殊鋼から委託を受け、固体高分子形燃料電池を模擬した水環境(80℃、超純水)でのK-M38CSの耐食性と成分元素の溶出挙動について評価しました。
 その結果、K-M38CSはチタン炭硫化物が分散していても、K-M38と同等の耐食性を有し、代替鋼として使用可能であることが確認されましたので、詳細を腐食防食学会主催の第60回材料と環境討論会(9月24日開催)で発表するとともに、試作材を電磁弁メーカーのサンプル評価に供しながら、順次量産へ移行することに致しました。

 ※4.大学院工学研究科マテリアル・開発系石田清仁教授、現名誉教授
 ※5.及川勝成研究員、現東北大学大学院工学研究科マテリアル・開発系教授
 ※6.本社:名古屋市東区、社長:嶋尾正、資本金:371億7246万円


以上
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