伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、9月から、国土交通省が推進する建設生産プロセスの管理手法CIM(Construction Information Modeling/Management)に対応した情報共有クラウドサービス「CIM-LINK(シム・リンク)」の提供を開始します。総合建設業者や建設コンサルタントに向けて営業展開し、初年度で50社への提供を目指します。
■背景
建築(architecture)分野では、建物の3次元の形状情報に材料やコスト等の属性情報を加えて、コンピュータ上で作成したモデルを、建物の設計から施工、維持管理にわたる建築ライフサイクルの全ての段階で共有するBIM(Building Information Modeling/Management)という手法が浸透しています。BIMにより、設計内容の詳細まで情報共有が可能になり、建築業務の効率化が図られています。
一方、橋梁や道路などの建設(construction)分野では、構造物の建設が土木作業を伴うため、建物に加えて、地形や地質および周辺環境の情報を考慮する必要があり、共有すべき情報量も多くなります。また、設計や施工、維持管理の分離発注により、建設プロジェクトの関係者も多くなり、工事も広範で長期になるため、BIMのようなIT活用がなかなか進まない状況にありました。
国土交通省は、建設分野における業務効率化のため、BIMを応用し、CIM(Construction Information Modeling/Management)として提唱しています。CIMの採用で、計画、設計、施工、維持管理という建設生産プロセスにおいて、ITを活用して情報の一元化を図り、コストを抑えつつ、公共事業の安全性や品質を高めることができるためです。
CIMは、国土交通省が主導し、2012年度から設計段階での試行が始まっています。2013年度からは試行範囲を拡大し、2014年度から基準の策定と本格的な導入が見込まれています。