2013/08/22 Category : 未選択 NEDOなど、インフルエンザウイルス亜型の識別が可能な小型高感度センサーを開発 インフルエンザから重金属の判別まで、高感度に検出 ―小型高感度センサの開発に成功― NEDOの産業技術研究 助成事業(若手研究グラント)として、インフルエンザウイルスの高感度分析装置の開発に取り組んできた、独立行政法人産業技術総合研究所が、インフルエン ザウイルスA型、B型だけでなく、従来の簡易検査方法(イムノクロマトグラフィ)では判定不可能な亜型の識別も可能とする、小型高感度センサの開発に成功 しました。 このセンサ技術は、検出チップ上に対象となるウイルス等を捕捉し、チップ表面の状態変化を反射された光の強さなど、光学特性をモニタ することで、簡易検査方法に比べて短時間かつ1~2桁高い感度での検出が可能です。また、センサ内のチップの変更等により、ウイルスだけでなく、カドミウ ムや鉛などの重金属、めっき液などの工業溶液のモニタリングも可能となります。 なお、2013年8月29日(木)から東京ビッグサイトで開催されるイノベーション・ジャパン2013において試作品の展示とデモを実施します。 ※図1・2は、添付の関連資料を参照 1.背景 非常に強い感染力を持った新型インフルエンザウイルス(※1)が出現すると、免疫のない人間社会では爆発的に感染が拡大します。新型インフルエンザウイル スの流行を抑え込むには、早期に発見してインフルエンザ治療薬のオセルタミビルやザナミビルなどを投与することが重要です。インフルエンザを早期に発見す るための診断としてイムノクロマトグラフィ(※2)が医療機関で用いられていますが、感度が低いために陽性と診断できるのは、罹患してから1.5日以上経 過してからです。また、偽陰性と診断されるケースが多いため、罹患に気付かずに学校に出席したり、会社に出勤したりして、感染を拡大させていることが指摘 されています。一方治療薬は罹患後2日以内に投与しないと効果がありません。つまりイムノクロマトグラフィで陽性と診断されて治療薬が有効となるのは罹患 後1.5日~2日の狭い期間であることになります。もし、インフルエンザウイルスをイムノクロマトグラフィよりはるかに高感度に検出することができれば、 ウイルス濃度の低い潜伏期間中にも診断が可能となり、治療薬が有効となります。また治療薬投与までの期間が短縮できることにより、飛沫感染、空気感染、接 触感染の全てがあるインフルエンザウイルスの感染を極力狭い範囲に閉じ込めることが可能となります。 産総研は、ITによる生活安全技術 の研究開発において感染症対策のためのセンサ開発を目指しており、光センシング技術によって高感度ウイルス検出の開発に取り組んできました。新しい検出原 理による導波モードセンサを考案し、表面プラズモン共鳴法(SPR)(※3)に比べてその高感度性を実証してきました。新型インフルエンザの迅速検出とい う社会課題に対応するために、NEDO産業技術助成事業「新型インフルエンザウイルスの高感度その場分析装置の開発」を通じて、小型化、高感度化の研究開 発を行ってきました。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword