<粒子線がん治療システムについて> 粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法のひとつであり、水素の原子核である陽子を用いる陽子線がん治療や、炭素の原子核を用いる重粒子線治療等があります。いずれの治療も粒子を加速器で高速に加速し、がん細胞に集中して照射することで、がんを治療するものです。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損ないにくいため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QOL:Quality Of Life)を維持しつつ、がんを治療できる先端的な治療法として注目されています。
<スポットスキャニング照射技術について> スポットスキャニング照射技術とは、腫瘍に照射する陽子線のビームを従来の二重散乱体方式(*1)のように拡散させるのではなく、細い状態のまま用い、照射と一時停止を高速で繰り返しながら順次位置を変えて陽子線を照射する技術で、複雑な形状をした腫瘍でも、その形状に合わせて、高い精度で陽子線を照射することができ、正常部位への影響を最小限に抑えることが可能です。さらに、患者ごとに準備が必要であった装置(コリメーター(*2)、ボーラス(*3))が不要、また陽子ビームの利用効率が高く不要な放射線の発生が少ないなど、患者に優しく、病院スタッフの負担を軽減できるほか、廃棄物の発生量の低減が可能であるという特長を備えています。スポットスキャニング照射技術を応用した陽子線がん治療システムとしては、世界で初めて米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)の510Kクリアランスを2007年12月に取得しています。