2013/12/28 Category : 未選択 東邦大学、サッカーボール型フラーレン分子誘導体の新たな合成手法を開発 化学専攻の大学院生「サッカーボール型分子 フラーレンC60」誘導体の新たな合成手法を開発-日本化学会主催 CSJ化学フェスタで優秀ポスター発表賞 2年連続受賞 東邦大学大学院理学研究科 化学専攻の内山幸也さん(博士前期課程2年)と森山広思教授(理学部化学科)は、選択的に合成するのが難しい多付加フラーレン誘導体の新たな合成手法を開発し、一連の誘導体であるアルコキシフラーレンとよばれる新規分子『C60(OR)8(R=CH3,C2H5,…)』の合成に成功しました。この合成手法はさらなる新物質の開発にもつながることが期待されます。 フラーレンC60とは、一般に炭素原子が60個集まった、サッカーボール型分子のことです。フラーレンは有機薄膜太陽電池のn型半導体として開発が進められているほか、抗酸化作用をもつことから、最近では化粧水などに含まれていることでも知られています。 この分子の最大の特徴は、様々な物質(原子や分子)を付加したり、中に閉じ込めたりすることができることです。このうち「多付加フラーレン誘導体」と呼ばれる物質群は、フラーレンが持ち得ない、付加分子に由来する様々な性質を有する魅力的な化合物です。本学が開発に取り組む有機薄膜太陽電池といったエネルギー分野の他、半導体や医薬剤など様々な分野で応用が期待されており、現在、多付加フラーレン誘導体の新たな可能性の開拓のため、日々研究・開発が行われています。 多付加フラーレン誘導体を合成する際、付加位置の異なる化合物(付加位置異性体)との混合物となり、単一の生成物として得難いことが問題となっています。その解決方法のひとつとして、単一の生成物として得ることのできるハロゲン化フラーレン(ハロゲン:周期表において第17族に属する元素でフッ素〔F〕・塩素〔Cl〕・臭素〔Br〕等)を出発物質として用い、そのハロゲン部位を置換するという手法が考えられます。これまで一般的に出発原料として用いられてきたのは、有機溶媒に溶けやすい塩素化フラーレンですが、反応制御が困難なため、内山さんらは臭素化フラーレンC60Br8とアルコールを反応させ、臭素〔Br〕部位の置換を試みました。臭素化フラーレンは有機溶媒にほとんど溶解しないという問題がありましたが、銀(Ag)を脱臭素剤として添加し、臭素化フラーレンが溶けなくても、平衡が生成物側に移動することで反応をスムーズに進めることを可能としたことで、新たな多付加フラーレン誘導体(ここではアルコキシフラーレン)C60(OR)8を単一生成物として得ることに成功しました。さらにC60(OR)8はC60Br8と同様の付加形態を有していることをX線結晶構造解析で確認しました。C60Br8と同様の付加形態を有するフラーレン誘導体の合成法は知られておらず、本研究で確立した手法が唯一の方法になるため、2件の特許出願(特願 2012-194209;特願 2013-046948)がなされていています。 ※参考画像は、添付の関連資料を参照 この研究成果は、日本化学会主催「第3回CSJ化学フェスタ」において優秀ポスター発表賞を受賞しました。内山さんは昨年の第2回CSJ化学フェスタに引き続いての連続受賞という快挙です。本研究で新規に合成された多付加フラーレン誘導体は、有機薄膜太陽電池やライフサイエンスなど様々な分野への応用が期待されています。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword