- 2025/04/22
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プレスリリース、開示情報のアーカイブ
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電気加温法によるVOC汚染土壌の浄化技術を開発
難透水性土壌の浄化にも対応
島津製作所は日本のニーズに合った新しい「電気加温法」による土壌浄化システムを開発しました。
揮発性有機化合物(VOC)は、粘性が低く、一般に水より重いため、地下深層部まで浸透し、地下数十メートルにおよぶ土壌・地下水汚染を引き起こします。テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、及びその分解生成物であるジクロロエチレン(DCE)などが代表的なVOCですが、一旦、粘性土壌粒子に浸み込んだこれらVOCの除去は困難で、浄化には長期間を要します。
こうしたVOC汚染土壌の浄化技術としては、揮発しやすい性質を利用した土壌ガス吸引法、VOC汚染地下水を揚水する方法(地下水揚水法)、酸化・還元剤の注入によってVOCを化学分解する方法(化学的分解法)、及び微生物による分解の方法(バイオレメディエーション法)などの原位置浄化技術が知られています。しかし、これら従来法は、砂質土での効果は高いものの、粘性土や関東ロームのような難透水性土壌の浄化には不適で、環境基準値の100倍程度からなかなか濃度が下がらないことが生じます。これは、透水性が低いため、ガス吸引や地下水揚水は難しいこと、更に酸化還元剤や微生物活性化に必要な栄養素等の注入が難しいことが原因です。このため、一旦、地下水濃度が低下したサイトでも、粘性土に吸着しているVOCが時間経過とともに地下水中に溶け出して、地下水中のVOC濃度が再上昇するいわゆるリバウンド現象が発生する可能性もあります。
「電気加温法」は、地盤に挿入した電極から土壌に交流電気を印加し、汚染領域を直接的に40℃~80℃に加温することで、従来法で難しいとされた難透水性土壌に吸着したVOCを短期間に脱離・揮発させ浄化を図る技術です。また、VOC分解微生物の活性化に最適な温度まで土壌を加温し保温することにより、バイオレメディエーション法の浄化効率を著しく促進させる技術としても活用できます。この「電気加温法」はオランダで開発されたVOC汚染土壌の原位置浄化技術ですが、オランダ特有の軟弱な土質を対象として開発された技術であり、その電極構造や浄化コンセプトは、日本の土壌汚染や土質に必ずしも適合しておらず、そのままでは実用化に至りませんでした。当社はこれをオランダから技術導入し、オランダオリジナルの手法の問題点を解決することで、日本のニーズに合った新しい「電気加温法」を開発しました。
【本技術の特長】
1.新電極井戸構造の開発
加温用の「電極井戸」と「VOC回収井戸」を兼用する「新電極井戸構造」を開発しました。これにより井戸の数を従来の半数以下とすることが可能となりました。新電極井戸構造は汎用性のある一般鋼管を使用することにより、材料費を安くすることができます。また、土壌で発生するジュール熱と井戸孔内水の発熱による熱伝導の両方で加温できるので加温効率がよくなります。さらに、耐熱性が増し、高電圧の印加が可能になったことにより、加温期間を短縮できます。
2.新しいボーリング工法の採用
新電極井戸構造の開発で、掘削スピードの速い安価なボーリング工法が適用できるようになりました。新しいボーリング工法ではケーシングがそのまま電極井戸鋼管として使用可能です。
【実証試験の結果】
当社では、この技術の優位性を検証するために、国際環境ソリューションズ(株)の協力のもと、およそ1年間にわたって実際の汚染サイトで実証試験を実施してきました。この実証試験では、地下7m~9mに層状に存在する有機性粘土層中に吸着しているcis-DCEをはじめとしたVOCが浄化対象であり、通電開始から約70日で土壌温度は60℃まで加温することができました。この後、加温による地下水への脱離と気化の促進によってVOCの回収が進み、加温開始から115日間で、cis-DCEガスとして約1.5kgを、その分解生成物質であるVCMガスとして約3kgを、それぞれ回収しました。その後も通電加温を継続した結果、加温開始から約6ヶ月後には、加温エリア内の土壌のcis-DCE溶出量を著しく低下させることができました。60℃まで加温の後に揚水した地下水に含まれるVOCの量は、単位地下水容積あたり常温時のおよそ10倍となり、本技術を利用することにより、浄化期間を大きく短縮することが期待できます。
【今後の展開】
ボーリング費用、材料費の削減および加温期間の短縮を実現し、大幅なコスト削減が可能となった新しい「電気加温法」による土壌浄化システムは、今後日本での普及が見込まれます。当社はこの技術を用い、平成26年度中に商用浄化を開始する予定です。
《参考》
【電気加温法による土壌浄化システムの原理】
※添付の関連資料を参照
(1)地盤に挿入した電極に三相交流を印加
(2)ジュール熱により電極と土壌が同時に発熱開始、目標温度まで加温
(3)土壌温度上昇に伴い粘性土壌粒子間に強く吸着しているVOCが地下水へ脱離・揮発
(4)ガス圧の上昇、水の粘性低下により、難透水性土壌の通気性・透水性が改善
(5)地下水の揚水、あるいは土壌ガス吸引開始(VOCの回収開始)
(6)併せて、微生物の活性化によりVOCの分解が促進
>詳しい説明についてはこちら
http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/soil/purification.html
「地熱資源ポテンシャル調査」の開始
~地熱資源調査を効率的に実施して地熱資源開発を促進するため、
最新の空中物理探査手法による広域調査を開始~
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、地熱資源調査を効率的に実施して地熱資源開発を促進するため、10月初旬から九州の「くじゅう」地域及び「霧島」地域において、ヘリコプターを用いた最新の手法による空中物理探査を開始します。
1.わが国に賦存する世界第3位の地熱資源を有効に活用するためには、個別地域における地熱資源調査が必要不可欠であるため、こうした地域の調査を効率的に行うことが必要となっています。
2.このため、JOGMECでは、国による地熱資源調査支援事業の一環として、広域において地熱資源のポテンシャル評価(地熱資源量評価)を効率的に行うべく、九州の「くじゅう」地域及び「霧島」地域においてヘリコプターを用いた空中物理探査「地熱資源ポテンシャル調査」を開始します。
3.この空中物理探査で取得したデータと、既存のデータや文献と合わせて総合的に解釈することで、地熱ポテンシャルの評価が可能となります。今回は、地熱資源ポテンシャルが高く、かつ既往調査が多く行われている「くじゅう」地域及び「霧島」地域で調査を行い、その後は順次、各地で実施していく方針です。
4.また、得られた調査結果は防災(地すべり、火山活動等)や温泉保全等の用途にも有用と考えられ、関係省庁や関係自治体等に提供していく方針です。
以上
〈調査詳細〉
(1)調査地域
<くじゅう地域>
1)調査時期:10月初旬~10月中旬
2)調査地域の面積:約550km2
<霧島地域>
1)調査時期:10月中旬~10月下旬
2)調査地域の面積:約280km2